大航海時代オンラインというゲームがある。
草創期からしばらく、僕はこのゲームに「ドはまり」した。
仕事から帰ってくると航海。休みの日は(嫁のおつかい日以外は)航海。
できる限り、時間をつくって航海三昧だった。
考えてみると、コーエーの大航海シリーズは、1とオンラインしかはまらなかった。他のゲームは何か、違うような気がして。
この大航海時代シリーズ、基本はシンプルだ。
物を買い、積み込み、遠くの港まで運び、売る。これを繰り返すだけだ。
ただ、物を運ぶだけのゲームなのだが、そこが他のゲームと決定的に違う点だった。
大航海時代オンラインに登場する交易品の数は膨大な数に上る。それを、儲かるように運ぶのが基本だ。
もちろん、香辛料などで一攫千金を狙うのもいいだろう。しかし、近隣国間の交易をおこなうのも楽しい。利幅は少ないが、安定的な利益を積み重ねられる。
例えば、工業国家の片鱗を見せつつあったイングランドと、農業大国フランスの往復は、現実の中世・近代ヨーロッパに実在した交易ルートだ。工芸品に富むフランドル地方と、工業地域と農業地域を商圏にするのもいいだろう。
効率を求めれば、いくらでも大金を稼げる。
しかし、自分の気に入った交易ルートを構築することも可能だ。
そして、そのすべてがシンプルなルールに基づく。
つまり、交易品を運ぶだけだ。
3月になって、カムバックキャンペーンなるものをやっているとメールで知らされたので、限定的ながら復活してみた。
他のユーザーは、南蛮貿易や香辛料交易などをするのだろう。
でも、僕はあえて、ヨーロッパ圏の、対して儲からない交易をしてみた。
昔のような熱は感じなかったけれど、ゲームって何だろうと改めて考える契機にはなった。
シンプルというのは、とても奥深く、楽しいものだ。