そもそも「体脂肪」とは?
脂肪と脂質は根本的に違う。
脂質は三大栄養素の一つ。
三大栄養素とは、タンパク質・脂質・炭水化物(糖質+食物繊維)。
脂質というと負のイメージが強いが、三大栄養素というくらいだから、人体にとって必要不可欠な栄養素。では、どんな働き?
まず、最も高いエネルギー源。水には溶けないが、有機溶媒には溶ける。炭素・水素・酸素で構成される。
体内ではホルモン・細胞膜・角膜の構成要素となり、皮下脂肪として臓器保護・体温調節の役割を担う。
脂質を構成する要素に、脂肪酸というものがあり、体にいい働きをするものもあれば、悪い働きをするものもある。飽和脂肪酸は後者の代表格。
一方、脂肪とは脂質の一つ、中性脂肪を指すことが多い。
中性脂肪は、グリセリン(グリセロールとも)に三つの脂肪酸が結合した構造。
主な役割としては、エネルギー貯蔵・体温保持・臓器保護といった役割がある。
日本では、「脂肪分ゼロ」「脂肪分が多い」と食品を形容することから、脂肪と脂質が混同されてしまっているが、本当ならば「脂質ゼロ」「脂質豊富」という表現が正しい。
・体脂肪(=中性脂肪)が蓄積されるしくみ
人間は食事をして、2時間から5時間かけて胃で消化される。その後、消化器官を通過しながら栄養素を分解吸収し、48時間から72時間で不要なものが排出される。
つまり、食べてすぐ脂肪になるわけではない。
食事から得た脂質・糖質は体を動かすエネルギー(=代謝)として比較的早く消費される。
まず、糖質は消化されて「グルコース=ブドウ糖」として小腸で吸収される。ブドウ糖は血液に入って全身に配布される。余ったグルコースはインスリンの働きで「グリコーゲン」になり、肝臓・筋肉に蓄積される。ただ、グリコーゲンの貯蔵スペースは比較的少ないので、費消されなければ肝臓で「中性脂肪」に加工され、全身の脂肪貯蔵スペースに蓄積される。これがいわゆる体脂肪。
脂質は、同じく小腸で「脂肪酸」「グリセロール」に分解され、中性脂肪になって血液によって全身の脂肪細胞に配布される。
比較的早く運動など、エネルギーを費消する活動をすることで、これらのエネルギー源は活用されるので、体脂肪として定着する可能性は低くなる。
・体に蓄積される脂肪には二種類がある
・内臓脂肪
特徴としては「溜まりやすく、燃焼しやすい」。男性、壮年期以後の女性に多い。
内臓の周りに脂肪が蓄積するので、お腹がぽっこりする。「リンゴ型肥満」とも。
内臓脂肪に蓄積する脂肪は、中性脂肪という。これはエネルギー源として人間が蓄積するもので、この脂肪細胞から分泌される「サイトカイン」=生理活性物質のバランスの乱れを引き起こし、血糖値・血圧・血液中の脂質に悪影響を与え、生活習慣病の原因となる。
・なぜ内臓脂肪が蓄積するのか。
主な原因は「食べ過ぎ・飲みすぎ・早食い=過栄養」と「運動不足」。
摂取されたエネルギーが、適切に消費(=代謝)されない時、そのエネルギーが中性脂肪として体に蓄積されてしまう。
脂肪の蓄積は、脂肪細胞の肥大化となり、腹部肥満を招く。
極論すれば、どんなに摂取したエネルギーでも、脂肪となる前に消費すればよい。
・内臓脂肪の悪影響
内臓脂肪は、人体の健康を脅かす、様々な「サイトカイン」を分泌する。
例えば、動脈硬化を抑制する良いホルモンを減少させ、逆にインスリンの働きを低下させるホルモンを分泌したりする。
内臓脂肪の増大=サイトカインの過剰分泌は、糖尿病・高血圧・脂質異常症を引き起こす。
・皮下脂肪
特徴としては「溜まりにくく、燃焼しにくい」。女性や子供に多い。
下腹部・腰回り・お尻などの皮下に脂肪が蓄積することから「洋ナシ型肥満」とも。
・肝臓のはたらき
体脂肪の蓄積・燃焼に肝臓のはたらきを軽視できない。
肝臓には大きく4つの働きがある。
①胆汁をつくる。
食べ物の消化に必要な胆汁を作り、消化を助けている。
②栄養素を蓄え、変化させる。
ブドウ糖をグリコーゲンに合成、体内に配布している。
たんぱく質をアミノ酸に分解し筋肉や血液に必要なたんぱく質へと再合成させる。
③毒を中和する。
アルコール・ニコチンの中和を行う。
④免疫細胞が活躍する。
肝臓には免疫細胞が豊富に存在している。
よく、筋トレしている人ほどアルコールを呑まないというが、これは肝臓が筋肉の重要構成要素であるアミノ酸・タンパク質の合成に深くかかわっているから。
ただ、過剰なたんぱく質摂取は、肝臓などへの負担が大きくなり、筋トレには逆効果ともいわれる。
・脂肪を蓄積させないためには
アンダーカロリーを徹底する。
つまり、過剰摂取・過少消費という負のスパイラルから抜け出す必要がある。
・自分のメンテナンスカロリーを知る
メンテナンスカロリーとは「基礎代謝+消費代謝」の和。
基礎代謝は生きていくうえで必須となるカロリー。臓器を動かす、筋肉を動かすなど、特に運動を必要とせずに消費されるカロリーが基礎代謝。
消費代謝は、運動などの活動で消費されるカロリー。
この消費代謝がよく分からない、というのがダイエット経験者の悩み。
そこで、とても簡単な計算方法がある。
①最低10日間の摂取カロリーを記録する。
最近はスマートフォンのアプリなどで、食事を記録し、カロリーを計算してくれる便利なものがある。これを正直に(ここで嘘をつくメリットは全くないので)記録。
10日間程度の記録を正直にとる。
②同じ期間、同じ時間に体重計に乗り、記録する。
③初日と最終日の体重増減を出し、これに7,200㎉を掛ける。ただし、体重増の場合は「マイナス」、体重減の場合は「プラス」で計算する。
④10日間の総摂取カロリーの和を出す。
⑤ ( ③ + ④ ) ÷ 10日間 = 一日のメンテナンスカロリー。
例えば、
①一日平均2,500㎉
②マイナス1㎏
③ 1 × 7,200㎉ = 7,200㎉
④ 25,000㎉
⑤ ( 7,200㎉ + 25,000㎉ ) ÷ 10日間 = 3,220㎉
となる。
これを基準に毎日、アンダーカロリー(摂取<消費)を継続することで、脂肪蓄積が減り、体脂肪消費が促進される。
・脂肪燃焼とは
脂肪燃焼は、摂取を上回る消費によって促進される。
・中性脂肪が燃焼されるまで
体を動かすことによって、比較的早く消費されるのが「グルコース」。これは食事で摂った糖質から合成されるエネルギー源。
次に筋肉などに一時保管される「グリコーゲン」が消費される。
つまり、運動し始めは保管されたエネルギー源を活用していくが、それらもストックが限られているので、中性脂肪の分解が始まる。
・中性脂肪の「分解」
エネルギーが不足すると、脳から脂肪分解命令が発して、中性脂肪を分解する。
分解されたエネルギー源は、血液を介して全身に運び込まれる。
・中性脂肪の「燃焼」
エネルギー源は細胞内の酸素と結びつくことで、エネルギーに変化する。これが「燃焼」。ここで酸素が多く必要になるので、有酸素運動が体脂肪燃焼に有効である、といわれる。
・有酸素運動20分から効果、の理由
上に書いた通り、人間の体はエネルギー源をわずかながら備蓄しているので、運動しはじめの一定期間は、この比較的新鮮なエネルギー源を活用する。つまり、中性脂肪にアクセスする前に運動を止めてしまうと、中性脂肪の分解が始まらない。
そこで、有酸素運動は20分程度してからではないと、脂肪燃焼が始まらないといわれる。
・忙しいのに20分も!
短い時間でも、無酸素運動である筋トレを行うことによって、これらエネルギー源を消費してしまってから、有酸素運動を行えば、理論上は短い有酸素運動でも効率的に中性脂肪を分解消費できる、といわれる。
引用元:https://brand.taisho.co.jp/contents/livita/233/
:https://www.tanita.co.jp/magazine/column/5256/
:https://www.taisho-kenko.com/column/159/
:https://kobe-kishida-clinic.com/about-diabetes-internal-medicine/diabetes-fundamentals/diet-therapy/lipid-fat-difference-healthy-intake/
:https://www.chugai-pharm.co.jp/ptn/medicine/karada/karada009.html