日々ぴこぴこ

TESとかFalloutとか、思ったことを淡々と。

Twitterのプロフィールを初めて更新した。

画像をいつまでもSkyrimとFallout4ばっかりだったので、今回は『一遍上人伝絵巻』から。

元々、大学時代に歴史学研究を志していたこともあって、この絵巻には強い思い入れがあります。

一遍上人といえば「踊念仏」。

この場面は、絵巻のなかでもクライマックス、京都市屋道場で弟子と共に踊り狂う一遍上人です。

踊念仏は踊りながら念仏を唱えることで、今風にいえば「トランス状態」に入っていく儀式みたいですね。当時の布教活動には、こうした演出面を強化したものも多く、また、たとえ日本が世界的にみても識字率の高い地域だったにせよ、説法を行うよりもより安易で分かり易い仏教哲学の布教を行う上では、こうした演出が効果的だったと思います。

一遍上人の絵伝で最も注目されているのが、市場での場面です。

福岡の市、現在の岡山県長船町福岡にあった市場で、あまりに栄えていたので、後年黒田官兵衛が北九州の城下町に同じ名前を付けたほどでした。

ここに、一遍上人に挑みかかる武士三人が描かれているのですが、一人、酒を飲んでいる武士がいます。その人の絵は書き換えられていて、元々は弓箭を帯びていた、つまり戦闘態勢にあったのですが、なぜか酒を飲む姿に変えられている。ここから、市場には平和の理論があって、市場に武装して入ることは許されなかったはずだ、という理解が為されています。本当のところは分かりません。もしかしたら、一遍上人にむけて弓箭を携える武士を描くことが、信者にとって不敬にあたるから、かもしれませんしね。

いずれにせよ、この時代の絵巻には古文書で知ることのできない風俗や通念を読み解くことが出来るので、いくら眺めていても飽きません。

 

なんとなく、昔のことを思い返しながら、扉絵を変えてみました。