日々ぴこぴこ

TESとかFalloutとか、思ったことを淡々と。

BSA Browser

BSA Browser (with .BA2 support) at Skyrim Special Edition Nexus - Mods and Community

 

以前から、BSAファイルというのはベセスダゲームを構成するファイルの1つであり、主要なものだ。

多くはMod配布の際、様々な細かいファイルを圧縮する上で用いられる。もともとのSkyrimLEでは細かく配布されていたStringsなどは、SEからBSAファイルとして配布されるようになった。

このため、日本語化する際にはBSAファイルを解凍し、適宜再構成する必要が生じた。今回紹介するBSA Browserなんかは、最新型のBSAファイルにも対応するツールだ。

 

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起動画面。Fileタブを押す。

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殆どの場合、このOpen Archiveコマンドしか使わない。Bsaファイルを改造したりしないかぎり。

 

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日本語化する際に必ず解凍するのが、Skyrim-Patch.bsaなので、これを解凍してみよう。ゲームフォルダのDataフォルダにある。

 

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左側のサイドウインドウ部に、ファイル構造がツリー式で表示される。左側のウインドウは全ファイルの一覧。

取り出すファイルはInterfaceフォルダのいくつかと、Stringsフォルダなので、左側画面でこれをクリックすれば、任意の場所にジャンプする。

ツリー表示は通常閉じているので、矢印のところを押せば展開します。

 

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任意のファイルで右クリックすると、コマンド画面が出てくる。

ExtractとExtract Foldersの違いは、ファイル1つを取り出すのと、取り出した際に属しているフォルダを作って取り出すかの違い。

例えば、

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このinterfaceフォルダは下のExtract Foldersで取り出したもの。上の画面でわかる通り、book.swfファイルはinterfaceフォルダに入っているので、interfaceフォルダに格納された状態で取り出されている。下は単なるExtract。どちらが便利かは、ユーザー次第です。

 

 

日本語化するに際して必要なツールなので、まずここから解説ページを作りました。

Skyrimなどで、英語や日本語のセリフを調べる方法

先ほどの記事でも調べたんだけど、ごく一部しか知らないと思うので、メモ的に。

 

使うツールは、

Voice File Reference Tool at Skyrim Nexus - mods and community

 

Unfuzer CPP Edition at Skyrim Nexus - mods and community

 

の二つ。

 

まず、「ジョルバスクル」の正しい発音を調べてみる。

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Voice File Reference Toolのフォルダを解凍すると、実行ファイルがあるので起動すると、

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起動する。

 

次に、単語を調べるには、下の「Filter」に単語を入れる。

ジョルバスクルは「Jorrvaskr」だから、そう入れると、

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たくさんヒットする。

試しに、2つめのファイルを調べてみよう。

c01_c01hellos_000246be_1.fuzというファイル。

 

次に使うツールが、Unfuzer CPP EditionとBSAファイルを分解するソフト。今回は使い慣れている

BSA Browser (with .BA2 support) at Skyrim Special Edition Nexus - Mods and Community

を使います。

BSA Browserを起動して、英語でも日本語でも、聞きたいほうの言語の音声ファイルから上記のファイルを取り出す。

今回はSkyrimLE版から取り出すので、「Skyrim - Voices.bsa」というファイルを、Dataフォルダから探して、コピーし、BSA Browserを起動。ファイルネームで検索して、Extractする。

 

抽出したファイルは、Unfuzer CPP Editionを解凍したときのフォルダに入れておく。その方が便利。

Unfuzer CPP Editionを起動する。

 

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Unfuzer CPP Editionというツールは、Skyrimの音声ファイルである.fuzを一般的な音声ファイルであるwavファイルに変換するもの。

実行ファイルと同じフォルダに放り込んでおくとめんどくさく無いが、そうじゃなければ、上の赤枠のところをクリックし、任意のフォルダを指定する。

その後、「unfuz」のボタンを押すと、画面のように.wavファイルに変換されている。

 

これをなにで実行するかはご自由に。

ちなみに、このファイルは同胞団のアイドル・アエラ様でした。

 

 

Whiterunの簡単な歴史

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elderscrolls.wikia.com

 

アトモーラ大陸の内戦から逃れるため、タムリエルに上陸したイスグラモルは、サールザルの悲劇(ウィンターホールド大学クエスト)、カウンター上陸とスノーエルフとの戦争(DLC・ドーンガード)を経て、スカイリムの地を人間の支配する大地とした。

 

彼らは、スカイリムの中央、ホワイト川が流れる肥沃な大地にある、小高い丘に拠点を構築する。ヨルバスクル(ジョルバスクルじゃなくて、英語ではヨルバスクルと呼ぶ。Jの発音の違いですな)だ。

ヨルバスクルの後背には名高い、スカイフォージがある。

スノーエルフを駆逐するに際して、イスグラモルに率いられた500人の同胞団たちに由来する同胞団は、ここを拠点にスカイリムにおける戦士ギルドの役割を担った。

 

第1紀、隻眼のオラフはアンソール山の頂上でドラゴン・ヌーミネックスとの闘いに勝利、彼を生け捕りとしてホワイトランの首長邸に閉じ込めた(メインクエスト及び吟遊詩人大学クエスト)。ここから、首長邸をドラゴンズリーチと呼ぶことになる。

 

第4紀、ラスト・ドラゴンボーンは偶然が重なり、ホワイトランの首長・大バルグルーフの元を訪れ、流されるままにドラゴンボーンとしての人生を歩むことになる。

この時点でホワイトランは、有力な二つのファミリーによって分断の様相を呈しており、一方大バルグルーフは特にどちらかの旗色を明確にしているわけではない。ただ彼自身や側近は、いかにもノルドという衣装を身に着け、ドラゴンズリーチのたもとにはスカイリムでも珍しいほど巨大なタロスの神像がある。しかし、必ずしもストームクローク派が優遇されているのではなく、帝国派の方が幅を利かせている。まさに、スカイリムを象徴する混沌とした状況にあるが、スカイリムの中央にあるだけあって、活発な交易を忍ばせる雰囲気がある。

あと、様々なクエストでホワイトランの歴史に触れる機会が多いのも面白い。

上級王・首長・ムート

シロディールでの各地方の支配者は「伯爵」、英語でcount、あるいはearlと呼ばれる。日本の爵位制度では、公候伯子男なんていって、明治になって貴族や大名家の格式で選ばれて任命されたので、土地の支配者という位置づけではなかったけれど、ヨーロッパの爵位は土地の支配者の意味合いを持つ。

例えば、伯爵は一定の地域を支配する人のことで、ドイツなどでは「辺境伯」という地位が任命され、広範囲な未開拓地の開拓権も含めて付与される。

領地を奪うということは、伯爵位を奪うことでもあって、これは日本でいえば守護や国守のような感じ。

一定の伯爵位を集積したものが公爵。日本語での公爵は1つしかないけれど、ヨーロッパでは二種類あって、王族も、ある程度の広範囲な土地所有権を有する爵位も、公爵と訳すようになってしまってるので、ややこしい。

 

シロディールでは、シロディール王はいない。皇帝がこれを担う。インペリアルシティ周囲が皇帝の直轄地であり、コロールを首府とするコロディアなどは、伯爵が管理権を相続し、基本的には世襲していた。

 

スカイリムでは、各ホールド(領域)を支配する人物としてヤールがいる。彼らは日本語で「首長」と呼ばれるが、実は英語のJarl(ヤール)とイギリスでの伯爵を意味するearlは同じ語源で、ともに「ヤール」である。首長というより、伯爵というニュアンスが近い。つまり、シロディールの伯爵とスカイリムの首長は、権限や地位は殆ど同じということになる。

 

スカイリムを内戦に陥らせた、上級王・トリグとウインドヘルム首長・ウルフリックの「決闘」。上級王トリグはソリチュードのヤール世襲家で、彼が選出される際は上級王選出の会議「ムート」は開かれなかったらしい。

 

elderscrolls.wikia.com

この理由として、上級王は基本的には世襲制で、その血統が絶えたり、血統に疑問が生じたときのみ、ムートが開かれる原則だったからという。

トリグが死没した際、ムートが開かれて当然であったが、なにせ上級王を殺したのがムートに出るウインドヘルムの首長であったから、ムートが開かれることがなかった。これが、スカイリム内乱を悪化させる原因の1つとなる。

 

ところで、この上級王。英語では「high king」と呼ぶ。そのまま上級王となるが、これは「上王」とか「高王」とも表現できる。王たちの中でも、位置づけとして上位にあるので上級王。

王が林立するというのは日本では少し考えにくいけれど、現代における「国」と、古代から中世における「クニ」というものは領域も形式も格式も、全く異なる。イギリス1つとってみても、イングランドウェールズスコットランド、そしてアイルランドのごく一部という四つの大きな国家の統合体であり、しかし一方でスコットランドウェールズアイルランドは被征服国家だから自主独立の気風が強い。

中でもスコットランドアイルランドは、かつてさらに多くの小国家が林立していた。スコットランド地方、アイルランド地方にも、王の中でも上級の王が必要だったのは、イングランドなど、早くに近代国家的な統合を果たした征服者から、自国を護るための必要手段だったのであって、これはスカイリムに似ていると思う。

 

スカイリムのメインストーリーの1つとして、内戦がある。

僕も二派、それぞれの歴史を経験したけれど、どちらもしっくりこなかったので、それからは内戦クエストを進める気がしなくなった。たぶん、TES6の歴史では、一度どちらかの派閥が勝利したとしても、その後は帝国の干渉によって、みたいな歴史の整理統合が行われるのだろう。ストームクロークが勝利しても、北国の隔離されたスカイリムが独立することに意味はない。帝国軍が勝利しても、ノルドに根付いた帝国への反感が消え去ることはない。いずれにせよ、ノルドのマザーランド、スカイリムは根底から、帝国の一属州の地位を喪失しているのだ。

SkyrimSE日本語化に関する記事の更新について

表題について。

昨日のブログでもすこしかいたのですが、ちょっと厄介なエラーが出ます。

ただ、まだ情報が錯綜していること、まとめるべき時期じゃないこと(いま書くと問題が惹起されてしまう恐れが大きい)ので、しばらく更新しません。

情報が整理されてから、少しずつ更新します。

 

なんせ、僕自身まだ試行錯誤の最中なので。

 

よろしくお願い申し上げます。

SkyrimSE 日本語化備忘

SkyrimSEを久々に日本語化する過程で、いろいろ問題が起きたので、備忘のために。

 

①アイテム名が消える現象

 

僕の場合、セーブデータがすべて破損したことから、ニューゲーム再スタートでアイテムをそろえているときに発見した。

鋼鉄系の鎧すべてのアイテム名が消えてしまっていた。

原因を探るべく、SSEEditを起動すると、

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※修正後のデータです。

 

鋼鉄系の鎧は、すべてUpdateで修正されており、IDのところが変更されているらしいことが分かった。

要するに、SkyrimSEのバージョンアップに伴い、アイテム名を参照するStringsファイルのIDが変わってしまっているらしく、エラーが発生してアイテム名が表示できなくなっていたということらしい。

どうも、1.5.3バージョンはCCの関係もあって、大幅な内部変更があった様子。

StringsファイルをsseTranslator で修正すると、画面通り修正されて回復した。

 

②ツールのバージョンアップが多い。

 これはどうしようもない。いちいち過去の記事を書き直していたら、僕の休みが無くなるので、各位で脳内変換いただくしかない。

 

③ModもSKSE64に合わせて変化が多い。

 これも同上。

 

バージョンアップでこんなに変化があるなんて、発売してだいぶたつゲームとは思えないくらいの状況ですな。

とりあえず、なんとか再構築は完了しました。

メインクエストをちまちま進めながら、またいろいろ調べていきますかな。

 

狼の女王・ポテマ

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シロディールの帝国、コロールを中心としたシロディール北西部のコロヴィア出身の将軍だったタロスは、ドラゴンボーンとしての資質を備え、帝国の皇帝として即位した。

彼は、その強力な軍事指導力を駆使してスカイリムやハイロックなどのタムリエル諸地域を支配し、強大な帝国を建設する。

皇統は姪、つまり妻の系統に移り、ペラギウス二世の娘がポテマである。

ペラギウス・セプティム2世の父はユリエル・セプティム2世であるが、このユリエルがノルドの実質的な王だったソリチュードマンティアルコ王との間に、特殊な取り決めを行った。

ペラギウス2世の時点で、帝国の財政は火の車であり、それは属州支配に必要な肥大化した軍事力の維持に費やされていたが、ひとたび反乱がおきると、属州の王らから献金を募るのが常態化していた。マンティアルコ王は、反乱鎮圧の軍資金を調達する代わりに、偉大なるセプティム朝から妻を迎えたいと考え、その約定を行った。

様々な出来事が起きた挙句、ポテマは予定されていた叔母に代わって、マンティアルコ王のもとに嫁ぐことになる。この時、13歳。マンティアルコ王はなんと62歳である。

 

それから16年後、ポテマは子を産む。これがユリエル・セプティム3世である。

ポテマはまもなく、父の死、兄の死の度にユリエル3世の皇位継承を画策するが、ことごとく失敗。姪であるキンタイラ2世に反乱を起こすこととなる。レッド・ダイヤモンド戦争だ。

ポテマはキンタイラ2世を捕らえて処刑し、戦争を有利に運ぶが、徐々に帝国に背く勢力が増える。ユリエル3世の戦死は、この流れを決定づけ、ポテマは居城・ソリチュードに立てこもることになる。

すでに崩壊していたポテマ軍だが、ソリチュード攻囲戦の終盤はおぞましい結果が待っていた。ポテマは有力な吸血鬼と盟約を結び、死した敵味方を死霊術でよみがえらせた。彼女の軍はゾンビの群れとなり、さらに側近たちは彼女を見限っていった。

 

ポテマを追い詰めたのは彼女の兄弟、マグナスたちだったが、その息子・ペラギウス・セプティム3世は「狂王」で知られる。『狼の女王』によれば、攻城戦のさなか、彼女は城外に抜け出して、幼きペラギウスに1つのネックレスをプレゼントする。

このネックレスは、もともと「狼の女王」の由来となった、強力なウェアウルフの魂が込められていたのだが、これを変え、身に着けたものから智を吸い取る魔法を込めた。

ペラギウスはそのため、狂王となったのだ、というが、あくまで伝承の1つにすぎない。

 

この歴史からわかるように、もともとノルドの地・スカイリムは強力な王に支配されていて、王族と呼ぶべき人々もいた。しかし、レッド・ダイヤモンド戦争によって彼らは倒され、帝国の強力な干渉を受けるようになる。

スカイリムの第四紀になると、諸地域は「ホールド」と呼ばれる、強い自治権を有し、その首長たちによる会議で「上級王」が決定する。しかし、上級王は必ずしも強力な権限を有していたように見られず、また、伝統的にソリチュードの首長が上級王を名乗るのが慣例だったようだ。

ソリチュードには帝国の国営企業・東帝都社が海運を牛耳り、皇帝の城が用意され、帝国軍が駐屯しているように、スカイリムは帝国の支配下にあったといっていいだろう。

 

『狼の女王』はなかなかの読み応えなので、一読をおすすめ。