The ATLAS
Steamサマーセール。いろいろ買いたくなるランナップですが、あえて古い古いゲームに手を出してみる。
なんと、PC98版は1991年、今から27年前のタイトル。
当時、シミュレーションゲーム業界を席捲していたのが、光栄(現コーエーテクモゲームス)と、ARTDINKだったんじゃないでしょうかね。
中でもARTDINKは珍しいタイトルが多かった。このアトラスシリーズは、大変面白い。
このゲームの特色は、プレイヤーはあくまでリスボンに常駐しているただの商人で、冒険は雇われ船長に一任しており、一度もリスボンから出ないこと。つまり、船長たちの報告を信じれば、世界地図は自在になる。信じなければ地図は出来上がらない。
1469年スタートで、1502年末時点で、こんな感じ。アフリカ大陸がとんでもない形になってしまった。おかげで交易船を出しにくいこと。
アメリカ大陸らしき大陸が、ずいぶん大西洋に出張ってきてしまった。
発見物も面白い。
天女が見つかったという提督の報告をうのみにする商人。なんだ、この発見物は。
明らかに東アジア系の人種ですよね?
これ、北極圏近い地域で発見しました。東西南北が逆転してしまっている。
SkyrimもFallout4もちまちまやっておりますが、こういう古いゲームもいいねえ。
ここでちょっと、昔話を。
わたくしは、近畿に住んでおります。
ちょうどこのゲームが出たころは、全国的に電気屋街に「中古PCゲーム屋」が所せましと並んでおりました。大阪の電気屋街、日本橋のでんでんタウンも、端から端まで、中古PCゲーム屋があって、中には雑居ビルの5階とか、1階は全く異業種のテナントの2階とかにあったり、テナントの目の前にエロビデオ屋があったり、まったく混沌とした時代でした。
ゲームを買うためには新品のほうがいいに決まっているのですが、子供だったわたくしにしてみれば、中古ゲームしか買えない。そこで、いろいろ巡って買いまわるわけです。
中にはハズレゲームも多かったけれど、考えてみれば、そういうゲームを探し回るのは、ある意味探検だったり、冒険だったのかもしれない。
その後、自作PCブームが日本を席捲すると、中古PCゲームも法律的にいかがなものか、という風潮も相まって、どんどんPCパーツ屋に暖簾を変えていった。今度は、ジャンクパーツ含めて、いろんな自作PCパーツを買いあさるために、でんでんタウンを訪れる、というわけです。
これも、冒険のようなものだった。当時のPCパーツは今とは比べ物にならないほど、当たりはずれが激しかった。オーバークロックのためにいくつもパーツをダメにしたり、あたりの電源だとなんだかうまく動いたり。ジャンクHDDと書かれていても、思ったほど良かったりする。PC雑誌の影響もあって、自作PCパーツショップは、さながら宝の山のように見えた。
Steamのように、一発簡単ダウンロードはたしかに楽だし、簡単だ。でも、そこには宝探し感が全くない。
今は、いろんなものが便利になったけれど、その分、リアル店舗に赴く必要が全くなくなってしまったけれど、たまにショップをのぞくと、「もしかしたらお宝ものがあるかも」と期待してしまうのは、あのころの記憶のせいなのかもしれない。実際には、今のあらゆる商品アイテムに、冒険要素は全くないのだから。
よくいう「クソゲー」も、冒険要素の1つだったはずなんだけれど、あんまり聞かないようになった。
古いゲームをしながら、そんなことを思った。