日々ぴこぴこ

TESとかFalloutとか、思ったことを淡々と。

『帰還の歌』とノルドの歴史

Skyrim時点での『帰還の歌』は5章しか登場しない。全56章からなる長編ながら、現存しないようだ。もしくは、ゲーム上関係がない物語なので割愛されているのか。

 

メレシック時代中期、人間の元祖であるネディック人が、まだエルフの世界だったタムリエルに上陸する。彼らは人間の祖であるが、ノルドとは異なる系譜のようだ(『シロディールの社会史』)。

まもなく後期、アトモーラ大陸での寒冷化や内紛に嫌気がさした勢力、イスグラモルをはじめとしたノルドたちが、新天地としてタムリエルに上陸する。これを「帰還の時代」と呼ぶ。

 

『帰還の歌』はノルド側からの歴史だから、基本的にエルフが悪者、ノルドは被害者という描き方をしている。

 

『帰還の歌』第二章

サールザルでの「涙の夜」によってアトモーラ大陸に追放されたイスグラモルは、二人の息子、ユンゴルとユルガーにタムリエルへの再上陸を命じる。

アトモーラの、少なくともイスグラモルの指揮下では、軍団は「船長」に率いられる船で数えられた。二人の息子はそれぞれ、部下を載せる船を建造し、タムリエルへと漕ぎ出すが、嵐に遭遇してユンゴルの船は沈んでしまう。ユンゴルはその後、タムリエル北端、スカイリムのウインドヘルム近くに埋葬されることになる。

 

『帰還の歌』第七巻

サールザルを再征服したイスグラモルらノルドたちは、引き続きスカイリム全土の征服を推し進める。ヨルバスクル(ジョルバスクル)という名前の船は、川のジークという船長に率いられた精鋭ぞろいだった。彼らはイスグラモルの命により南下し、ホワイト川近辺に豊かな地域を発見する。ところが、この肥沃な大地は全く開拓されていなかった。

捕虜としていたスノーエルフに問いただすと、エルフよりはるかに長寿で強力な巨人族が周辺を支配しており、スノーエルフたちが開発することを阻害してきたという。

川のジークはこれに退くことなく戦いを挑み、ホワイトランとその周辺の支配を勝ち取る。ところが、すでに彼の部下は多く戦没しており、500名いた部下は22名になっていた。

 

『帰還の歌』第十九章

ケール・カーズという船には、サドン・レイスとイルガーメットという指揮官が乗っていて、この二人は別々の侵略路をたどる。

イルガーメットはいまのウインドヘルム周辺を侵略していると、偶然ユンゴルの墓地(おそらくユンゴルの船と遺体や遺品)を発見する。イスグラモルはここで慟哭した。

イルガーメットはこの地に、エルフが反撃できないほどの難攻不落の城塞を建築することとし、さらにこれをイスグラモルに献上することとした。

捕虜としたエルフを酷使し、高い城壁と橋を建造させた。その犠牲者は、ここに至るまで戦没したノルド人の人数に匹敵した。

二度とエルフたちが再征服できないように建造された巨大都市が、ウインドヘルムである。

 

『帰還の歌』第二十四章

内容的には、イスグラモルに率いられた同胞団の一部が、ブラックマーシュのアルゴニアン支配領域に侵入して攻略したという内容のようだ。

 

『帰還の歌』第五十六章

ノルドの一軍がモロウィンド侵略中、イスグラモルの急死を聞き、慟哭するという内容。

 

このように、第2、7、19章までがスカイリムの歴史、なかでも7、19はスカイリム主要都市形成の歴史を歌い上げている。