日々ぴこぴこ

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狼の女王・ポテマ

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シロディールの帝国、コロールを中心としたシロディール北西部のコロヴィア出身の将軍だったタロスは、ドラゴンボーンとしての資質を備え、帝国の皇帝として即位した。

彼は、その強力な軍事指導力を駆使してスカイリムやハイロックなどのタムリエル諸地域を支配し、強大な帝国を建設する。

皇統は姪、つまり妻の系統に移り、ペラギウス二世の娘がポテマである。

ペラギウス・セプティム2世の父はユリエル・セプティム2世であるが、このユリエルがノルドの実質的な王だったソリチュードマンティアルコ王との間に、特殊な取り決めを行った。

ペラギウス2世の時点で、帝国の財政は火の車であり、それは属州支配に必要な肥大化した軍事力の維持に費やされていたが、ひとたび反乱がおきると、属州の王らから献金を募るのが常態化していた。マンティアルコ王は、反乱鎮圧の軍資金を調達する代わりに、偉大なるセプティム朝から妻を迎えたいと考え、その約定を行った。

様々な出来事が起きた挙句、ポテマは予定されていた叔母に代わって、マンティアルコ王のもとに嫁ぐことになる。この時、13歳。マンティアルコ王はなんと62歳である。

 

それから16年後、ポテマは子を産む。これがユリエル・セプティム3世である。

ポテマはまもなく、父の死、兄の死の度にユリエル3世の皇位継承を画策するが、ことごとく失敗。姪であるキンタイラ2世に反乱を起こすこととなる。レッド・ダイヤモンド戦争だ。

ポテマはキンタイラ2世を捕らえて処刑し、戦争を有利に運ぶが、徐々に帝国に背く勢力が増える。ユリエル3世の戦死は、この流れを決定づけ、ポテマは居城・ソリチュードに立てこもることになる。

すでに崩壊していたポテマ軍だが、ソリチュード攻囲戦の終盤はおぞましい結果が待っていた。ポテマは有力な吸血鬼と盟約を結び、死した敵味方を死霊術でよみがえらせた。彼女の軍はゾンビの群れとなり、さらに側近たちは彼女を見限っていった。

 

ポテマを追い詰めたのは彼女の兄弟、マグナスたちだったが、その息子・ペラギウス・セプティム3世は「狂王」で知られる。『狼の女王』によれば、攻城戦のさなか、彼女は城外に抜け出して、幼きペラギウスに1つのネックレスをプレゼントする。

このネックレスは、もともと「狼の女王」の由来となった、強力なウェアウルフの魂が込められていたのだが、これを変え、身に着けたものから智を吸い取る魔法を込めた。

ペラギウスはそのため、狂王となったのだ、というが、あくまで伝承の1つにすぎない。

 

この歴史からわかるように、もともとノルドの地・スカイリムは強力な王に支配されていて、王族と呼ぶべき人々もいた。しかし、レッド・ダイヤモンド戦争によって彼らは倒され、帝国の強力な干渉を受けるようになる。

スカイリムの第四紀になると、諸地域は「ホールド」と呼ばれる、強い自治権を有し、その首長たちによる会議で「上級王」が決定する。しかし、上級王は必ずしも強力な権限を有していたように見られず、また、伝統的にソリチュードの首長が上級王を名乗るのが慣例だったようだ。

ソリチュードには帝国の国営企業・東帝都社が海運を牛耳り、皇帝の城が用意され、帝国軍が駐屯しているように、スカイリムは帝国の支配下にあったといっていいだろう。

 

『狼の女王』はなかなかの読み応えなので、一読をおすすめ。