日々ぴこぴこ

TESとかFalloutとか、思ったことを淡々と。

ダイヤモンドシティ・ラジオ ウラニウム・フィーバー

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エルトン・ブリット作詞作曲、歌。

1955年代まで、核兵器ウランなどは、アメリカの栄光の象徴だった。現在まで、第二次世界大戦の「クレイジー」な日本人が降伏したのは、偉大なるアメリカの新型「原子爆弾」のおかげだ、という政治宣伝のたまものだろう。

核兵器や核技術は人類にとって悲劇をもたらす一方、繁栄をもたらすというのが、アメリカ文化の中での一定の常識だった。

 

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この歌なんか、今の日本で演奏したら批判殺到するような歌詞だけど、こういう大衆向けの曲でも核兵器が普通にうたわれていた。

 

1955年のアメリカではウランラッシュが勃発した。ゴールドラッシュ同様、ごくごく一部の成功者が喧伝されて、誰もかれもがウラン採掘を夢見た。でも、現実は恐ろしい放射能被ばくという身体被害の代償でもあり、また実際にはほとんど儲からない話だった。儲かったのは、政府に協力したごくごく一部だけなのだ。この手の話は。

 

歌の背景はいろんなところで語りつくされているのでこの程度に。

僕が残念に思うのは、ゲームを楽しんでいるユーザーが、エルトン・ブリットというアメリカを代表するカントリーミュージシャンを「ウラン狂い」みたいな扱いをしてしまいかねない、という点だ。

カントリーは現代まで続く、いわばアメリカの国民歌(もっとも、白人にとって)だけれど、例えばその系譜は現代のテイラー・スィフトにまで連なる。テイラーがカントリー?と思う人がいると思うけど、彼女はれっきとしたカントリー出身だ。最近Pop気味だけど。We Are Never Ever Getting Back Togetherなんか、カントリー風味が強いヒット曲だ。

エルトン・ブリットは戦時中にヒットを飛ばし、戦後もマルチなタレントを発揮した。映画などにも出演している。彼の曲を聞いてみると、落ち着いた雰囲気の曲がいくつかある。

恐らく、彼にとってこの曲はポップな、批評めいた曲として発表されたものなのだろう。21世紀になって、まさかゲームで採用され、その中で頭に刻み込まれるくらいにヘビーローテーションされるなんて、夢にも思わなかっただろうけど。