日々ぴこぴこ

TESとかFalloutとか、思ったことを淡々と。

涙の夜とマグナスの目

涙の夜 : Skyrim Library

この、『涙の夜』という本でも触れているとおり、涙の夜の原因は、タムリエルに上陸したノルドがマグナスの目という秘宝を発見したことが、その1つとされている。

 

マグナスとは、エイドラのひとつ。そもそも、ニルン(地球に該当する)はエイドラたちが創造したが、マグナスはその設計を担当していた。ところが、マグナスは途中で離反し、エイドラの住まうところ・エセリウスに逃げ込んだ。この影響から、エセリウスからニルンへとマジカが流出しているような状況で、TESの世界では魔法が使える。

ここから、マグナスは魔法術師たちの神様のように扱われている。

 

マグナスの杖というのは、マグナスが作り上げた秘宝と言われる。マグナスの目も、彼と何らかの関係があるのだろう。

その効果は、ウィンターホールド大学クエストでも明らかだろう。マグナスの目を用いれば物理的・魔法的な攻撃を一切受け付けないシールドを得ることができる。マグナスの杖はそのマグナスの目からマジカを吸い取ることもできる。いわば、マジカそのものや人間・エルフの体そのものに働きかける、非常に強力な秘宝である。

 

スノーエルフたちがもともと、このマグナスの秘宝を知っていたかどうかは分からない。もしかしたら、知らなかったのかもしれない。

ノルドたちは、偶然にして建設した初めての都市・サールザルを深く深く掘り進めるうち、偶然これを発見する。スノーエルフたちはこれを知り、ノルドたちを全滅させてでも、秘宝を守り抜こうとした。それが「涙の夜」だ。

 

ところが、ノルド達は反撃し、サールザルはノルドの掌中となる。ノルドたちはサールザルの目の活用方法をよく理解していなかったらしく、これを用いることなくスカイリムからタムリエル各地に侵略を始めることになる。

 

ところで、ウィンターホールド大学クエストで出てくるサイジック会は、古代から存在する魔法を司る組織だ。現在、タムリエルで広く用いられる魔法は、サイジック会出身のガレリオンという魔術師が、一般人でも用いることができるよう改良したもので、サイジック会が用いる魔法はもっと難解で複雑、かつ強力だ。

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彼らにしか分からない真実があり、第四紀の今、サールザルで再びマグナスの目が発掘されることを恐れ、ドヴァキンによりよい方向へ進むよう助言するに至る。

TESも第五作目にして、ようやくニルンにおける魔術の根幹にかかわるクエストをぶつけてきた。すでにTESオンラインでマグナスの目などに再び触れるような設定があるそうだが、より深いストーリーを第六作で期待したいものです。

隻眼のオラフ

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ウィンドヘルムの王宮を取り巻く壁にある、隻眼のオラフの石板。盾と呼ぶらしい。

オラフは第一紀420年から452年王位にあった人物で、ドラゴン・ヌーミネクスを退治したことで知られる。

凶暴で知られたドラゴンを退治した彼は、継承戦争のさなかにあって混沌としていたスカイリムを平定しただけではなく、まだスカイリムの辺境であったリーチを平定し、現在のスカイリム版図を確立した。

 

ところが、彼のヌーミネクス退治は、謎に包まれている。

『オラフとドラゴン』で書かれているとおり、ヌーミネクス退治の戦闘を直接目撃した人物は皆、裕福になっている。これはオラフが口止めをしていたからだろうし、ヌーミネクス高齢であった(ドラゴンは定命ではないから、この表現が適切かどうかわからないけれど)という説もある。パーサー・ナックスのような様子だったということか。

オラフにとってドラゴン退治は、いわば名を挙げるには格好のイベントだったが、むしろ彼の功績は混沌としたスカイリムの再統一であり、リーチの併合だった。

 

ところが、ソリチュードではオラフ王の焚刑という行事が行われる。

オラフと同時代のスヴァクニールという吟遊詩人は、オラフ王を指弾する内容の歌を歌ったことから王の怒りを買う。ここに、オラフ王の焚刑の正当性を見出そうとする、第四紀吟遊詩人大学の依頼により、ドヴァキンはオラフ王の墳墓を探索、オラフ王の詩歌を発見する。

ところが、詩歌は多く判読不能で、補修しなければならなかった。

この時の、大学長ヴィアルモが「ソリチュードが包囲された」とか、「ウインドヘルムが包囲された」ようなことを話すのだが、この歴史的事実を伝える本はない。

 

第四紀スカイリムのように、さまざまなホールドがオラフ派、反オラフ派で分裂していたのだろう。ソリチュードは地勢的にも帝国よりだったのかもしれない。「スカイリムの守護者」と歌い上げるところから、スヴァクニールの立場が読み取れないでもない。

 

ただ、結果としてソブンガルデに隻眼のオラフは実在する。ということは、ソブンガルデに招聘されるだけの功績が認められるということだろう。

 

『帰還の歌』とノルドの歴史

Skyrim時点での『帰還の歌』は5章しか登場しない。全56章からなる長編ながら、現存しないようだ。もしくは、ゲーム上関係がない物語なので割愛されているのか。

 

メレシック時代中期、人間の元祖であるネディック人が、まだエルフの世界だったタムリエルに上陸する。彼らは人間の祖であるが、ノルドとは異なる系譜のようだ(『シロディールの社会史』)。

まもなく後期、アトモーラ大陸での寒冷化や内紛に嫌気がさした勢力、イスグラモルをはじめとしたノルドたちが、新天地としてタムリエルに上陸する。これを「帰還の時代」と呼ぶ。

 

『帰還の歌』はノルド側からの歴史だから、基本的にエルフが悪者、ノルドは被害者という描き方をしている。

 

『帰還の歌』第二章

サールザルでの「涙の夜」によってアトモーラ大陸に追放されたイスグラモルは、二人の息子、ユンゴルとユルガーにタムリエルへの再上陸を命じる。

アトモーラの、少なくともイスグラモルの指揮下では、軍団は「船長」に率いられる船で数えられた。二人の息子はそれぞれ、部下を載せる船を建造し、タムリエルへと漕ぎ出すが、嵐に遭遇してユンゴルの船は沈んでしまう。ユンゴルはその後、タムリエル北端、スカイリムのウインドヘルム近くに埋葬されることになる。

 

『帰還の歌』第七巻

サールザルを再征服したイスグラモルらノルドたちは、引き続きスカイリム全土の征服を推し進める。ヨルバスクル(ジョルバスクル)という名前の船は、川のジークという船長に率いられた精鋭ぞろいだった。彼らはイスグラモルの命により南下し、ホワイト川近辺に豊かな地域を発見する。ところが、この肥沃な大地は全く開拓されていなかった。

捕虜としていたスノーエルフに問いただすと、エルフよりはるかに長寿で強力な巨人族が周辺を支配しており、スノーエルフたちが開発することを阻害してきたという。

川のジークはこれに退くことなく戦いを挑み、ホワイトランとその周辺の支配を勝ち取る。ところが、すでに彼の部下は多く戦没しており、500名いた部下は22名になっていた。

 

『帰還の歌』第十九章

ケール・カーズという船には、サドン・レイスとイルガーメットという指揮官が乗っていて、この二人は別々の侵略路をたどる。

イルガーメットはいまのウインドヘルム周辺を侵略していると、偶然ユンゴルの墓地(おそらくユンゴルの船と遺体や遺品)を発見する。イスグラモルはここで慟哭した。

イルガーメットはこの地に、エルフが反撃できないほどの難攻不落の城塞を建築することとし、さらにこれをイスグラモルに献上することとした。

捕虜としたエルフを酷使し、高い城壁と橋を建造させた。その犠牲者は、ここに至るまで戦没したノルド人の人数に匹敵した。

二度とエルフたちが再征服できないように建造された巨大都市が、ウインドヘルムである。

 

『帰還の歌』第二十四章

内容的には、イスグラモルに率いられた同胞団の一部が、ブラックマーシュのアルゴニアン支配領域に侵入して攻略したという内容のようだ。

 

『帰還の歌』第五十六章

ノルドの一軍がモロウィンド侵略中、イスグラモルの急死を聞き、慟哭するという内容。

 

このように、第2、7、19章までがスカイリムの歴史、なかでも7、19はスカイリム主要都市形成の歴史を歌い上げている。

 

 

 

色々

いま、暇を見つけては同胞団クエストをやりつつ、『帰還の歌』を読みながら、みたいな感じです。

同胞団の事を勉強しながら、ゲームして、社畜になりながらみたいな。

年末年始はありませんから、お休みの時にでも上げます。

冷風ヶ淵

elderscrolls.wikia.com

ファルマーによるスカイリム攻撃を象徴づける場所。

この訳、なかなか絶妙だと思いません?

 

古代ノルドの遺跡とか、なんらかの遺跡ではなく、洞窟状の地域を自らの住処としたファルマーは、周辺を通り過ぎるキャラバンや農民を襲撃していた。

 

ここにfirirという男性の遺体があり、そこに手紙がある。

この手紙、Eydisという女性に宛てた「最後の手紙」なのだが、このEydisはオールド付ロルダンの女亭主・エイディスだというのが、Wikiaの解釈。

本当かどうかは分からない。

 

キャラバンが襲撃されていた、という情報と、最寄に「追いはぎ峡谷」があることを考慮すると、この街道は暫く前から使われていないようだ。

もともとは、ソリチュードからホワイトラン以南へのキャラバンルートだったのだろう。

ホワイトラン周辺は農作物が豊富に産する地勢で、逆に言えばそれ以外は交易によるしかない。海産物とか、主に塩とか。

また、はちみつ酒しか産しないことを考えると、エールやワインもだろう。

 

かつて、イギリスとフランス西海岸は、主に塩の交易を頻繁に行っていたが、それを狙って「サン・マロ海賊」が発生した。交易と海賊は表裏一体だが、スカイリムでも同様、交易と山賊は表裏一体なのだろう。

 

もし、FirirとEydisが本当に夫妻であるならば、Firirはカース渓谷を拠点として、キャラバンを率いていたか、関わっていたのだろう。マルカルスを首府とするリーチは、山地に抵抗勢力・フォースウォーンが根城を作っていて、マルカルスからソリチュードへの道はそれこそ、命がけの街道である。そこでマルカルスから一度東、ホワイトランに向かい、ロリクステッド方面に北上したうえで、ソリチュードに迎えば比較的安全だ。そう考えると、この道が交易に用いられていた理由もわかる気がする。

 

ドラゴンボーンがファルマーを退治したところで、街道は元には戻らないのだが。

Word Wall カイネの安らぎ編

speakeir.hatenadiary.jp

一度取り上げた「ランヴェイグのファースト」。ここで得られる力の言葉は「カイネの安らぎ」。スプリガンなどの影響で敵対化した野生動物の敵対状況を解除する、結構便利な力。

カイネは八大神のひとつ、キナレス。ノルドやスカイリムでは女神カイネと発音される。風や大気、空の神。自然環境そのものを神格化した存在というべきで、狩猟や採掘作業を頻繁に行うスカイリムにはうってつけの神様。

 

ところで、力の言葉を学ぶWord Wallにはそれぞれ、文章が刻まれている。

結構面白い内容なので、訳してみる。

 

ja.elderscrolls.wikia.com

一つ目の言葉:kaan

Here lies (the) body of Hela,
friend to all beasts,
servant of Kyne. May she find
rest in the Forest of Dreams.

 

ここには、すべての野獣たちの味方にして、カイネのしもべ、ヘラの遺体が安置されている。もしかしたら、夢の森のなかで、安らぐ彼女を見つけられるかもしれない。

 

二つめの言葉:drem

Noble Nords remember these words
of the hoar father: Pray
not for peace, for such is
(the) wish of (the) weak and cowardly.

 

賢明なるノルドたちは、寒き父のこれらの言葉を覚えている。「祈り」

平和のためではなく、弱く臆病な者たちの願いとして。

 

三つ目の言葉:Ov

Here fell maiden Valkrys
who fought with courage, but
was wrong to trust (the) power
of (a) borrowed sword.

 

ここには乙女 Valkrys の盾が落ちている。彼女は勇気とともに戦った。しかし、借りたソードの力を信じるのは間違っていたのだ。

 

全体的に、曖昧な言葉をドラゴンワードにして、それをさらに英語に戻してるから、大変訳すのが難しい。Wikiaの編者が()を多用しているのは、冠詞が竜語にないからだろうし、憶測だろうけれど、それにしても難しい。

全体的に、動物たちの敵対化を解除するだけあって、戦うことは間違っている、弱くはかない動物たちの仲間となるよう諭しているような気がする。

 

 

 

Skyrimストーリーの初歩・導入②

前提として、TESの世界はシリーズを重ねるごとに改変、後付けが多いので、分かりにくくなること。

少なくとも、以下はSkyrim時点でのストーリー。

 

○帝国とは?

第三紀、ノルドの将軍、タロス、インペリアル名でタイバー・セプティムは、外敵を排除するなどの軍功により、皇帝となる。以外、シロディールを首府とする帝国をセプティム朝と呼ぶ。

セプティム朝には竜の血脈(ドラゴンボーン)が神々の恩寵として与えられていた。ちなみに、Oblivionではそこまで明示されてなくて、王者のアミュレットを身につけられる、とぼかされていた。

 

タイバー・セプティムはグレイビアード達によれば、ひさびさに現れたドラゴンボーンだったが、彼が現れた時、特にタムリエルにドラゴンがいたわけではない。つまり、彼が神々の恩寵としてドラゴンボーンになったのは、いわば神々の気まぐれに過ぎない。もしくは、現実世界と神々や悪魔の世界の障壁を強化しようという考えかもしれないけれど。

 

セプティム朝は、シロディール以外の地域を速やかに平定し、各地に帝国軍を進駐させた。各地を属州とし、一定の自治権を与えながら、軍事力は奪い取った。こういう統治はローマ帝国そのもの。

 

Oblivion動乱の時、長い平和で衰退しきった帝国軍は、シロディールを防衛するだけの実力しかなく、属州進駐の帝国軍はデイドラで溢れかえり、属州の市民を殺戮する状況を見捨ててシロディールに逃げ帰った。モロウィンドではレドラン家などの有力な氏族が私設軍で対処したが、それでも他の属州の侵略を受けた。

こうして、属州の帝国への支持は低下していく。

 

○エルフ達の逆襲

かつて、タムリエルに繁栄したエルフ族は、人間達の進出で南に流れるほかなく、中でも純エルフとされるアルトマーはサマーセット島で反帝国派と帝国支持派に分かれていた。Oblivion動乱の結果、デイドラを駆逐する主力となった反帝国派は、帝国支持派を一掃し、主導権を握る。この勢力がサルモールであり、サマーセット島の新国家がアルドメリ自治領だ。

サルモールは、ウッドエルフやカジートの国家を糾合して、帝国に戦いを挑む。これが「大戦」だ。

 

大戦はサルモールの事実上の勝利に終わる。

さて、サルモールの要求には、ノルドに到底許容できない内容があった。

シロディールの帝国は、タロスの功績を称え、それまでの「八大神」に加えて「九大神」とした。いわば、実在の人間を神にした。

エルフ達にしてみれば、自分たちを南西の小島に追いやった人間達の中から、神聖なるエイドラが勝手に加えられたわけで、長い間耐えられない苦痛だった。

サルモールは、エイドラからタロスを排除しろ、と求め、帝国は受け入れた。

 

○ノルド急進派の反逆

これまで帝国に協力的だったノルドの中には、この決定を帝国の裏切りとみて、独立を画策する勢力が生まれる。

その急進派の首領が、オープニングで主人公とともに馬車に乗り、処刑を待つウルフリック・ストームクロークだ。

ウルフリックは少し前、スカイリムでも帝国派であったソリチュードのトリグ上級王を決闘で殺しており、帝国から追われていた。

混乱するスカイリムに派遣されたのが、テュリウス将軍で、彼は着任早々、策略でウルフリックを捕え、処刑して反逆ノルドを分解しようとしていた。

 

○時の流れに封印されたアルドゥイン・世界を破滅させるもの

古代ノルド達が、エルダースクロールの力で時の流れに封印した、世界を破滅させられるドラゴン、アルドゥインは、このタイミングで復活する。そして、神々の気まぐれな恩寵によって生まれるドラゴンボーンも、突然その運命を知る。主人公は、アルドゥインの脅威から再び、タムリエルを救うためにドラゴンボーンとして、新しい日々を過ごすことになるのだ。