日々ぴこぴこ

TESとかFalloutとか、思ったことを淡々と。

Beyond Skyrim

Beyond Skyrim - Bruma SE at Skyrim Special Edition Nexus - Mods and Community

 

このModはなかなか、深みがありますな。

あまりに深いから、少し進めるのを躊躇した。時間ないからね。

 

さて、シロディールという懐かしい空気に触れるため、多くの人がこのModを導入していると思うけれど、これまで散文的に書いてきた、スカイリムとシロディールの歴史についておさらいしておこう。

 

そもそも、スカイリムにアカヴィリが上陸し、さらにハートランドともいわれるシロディール(TES4の舞台、帝国の本拠地。スカイリムなどは「属州」と呼ばれる)に侵攻したのは第1紀2703年のことだった。Skyrimのはるか昔、もう伝説の時代と言っていいと思う。

『ブレイズの盛衰』という著書によれば、この時シロディール軍を率いたレマン・シロディールは「声」を持っていたようで、この声を聴いたアカヴィリ軍は、彼が生まれながらのドラゴンスレイヤー=ドラゴン・ボーンであることを知り、雪崩を打って降伏した。以後、彼らはブレイズとして、皇帝の近衛兵団として成立することになる。

この伝説的な出来事をペイル峠の戦い、と呼ぶ。

 

さて、まだアカヴィリが降伏していないころ、シロディール北端に侵入したアカヴィリ軍から、その補給拠点としていたペイルパス砦に1人の使者が派遣された。彼は残念ながら途中でモンスターにより倒されたが、その伝令の日記は回収され、第3紀末にはブルーマ女伯・ナリナ・カーヴェインの手に有った。

彼女はアカヴィリ遺産の蒐集者として名高く、ブルーマを通り過ぎた探検家である「クヴァッチの英雄」に、アカヴィリの秘宝「ドラコニアのマッドストーン」の回収を依頼する。その時、彼女はクヴァッチの英雄に伝令の日記を翻訳したものを渡し、かつ手書きの地図も渡している。

これは、TES4のクエスト「Lifting the Vale」の筋書きだ。

Oblivion:Lifting the Vale - The Unofficial Elder Scrolls Pages (UESP)

 

Skyrimをやってからこのクエストをやると、感慨深いものですな。

 

Beyond Skyrimのブルーマへの道筋は、まさにこのクエストの通りなので、これも面白い。

 

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伝令がペイルパス砦への抜け道として使っていた、大蛇の通り道。

 

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大蛇の通り道への秘密の目印にされていた、センチネル。

 

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そして、ブルーマ。なんか、Skyrimの実写版トレーラーの街に似てるね。

 

タイバー・セプティムによってセプティム朝が開かれると、その強力な軍事指導力によって、タムリエルの諸地域は帝国の属州に下った。

帝国は、強力な軍事力を当初は侵略軍として、下った属州には治安維持を目的として駐屯させた。結果、属州では独自の軍隊が形骸化したり、無力化され、帝国軍に依存する傾向が強まる。

オブリビオン動乱はタムリエル全土を混乱に陥らせたが、帝国軍は各属州から主力部隊を引き抜いてシロディールに戻し、オブリビオン・ゲートの封鎖に用いた。結果、属州では軍事力を失い、オブリビオン・ゲートから現れるモンスターに蹂躙されるがままになった。

これをむしろ好機と捉えたのが、たとえばサマーセットにおけるサルモールだ(『高まる脅威』全4巻)。また、DLC「Dragonborn」で触れられる、モロウィンドにおけるれドラン家の活躍なども、帝国軍が去ったあとで残された属州の悲劇と復興を物語る。

 

サルモールを主軸としたアルドメリ自治領によるシロディールへの侵攻「大戦」が勃発すると、スカイリムは帝国軍の軍事的補給地として、膨大な人的資源を送り込んだ。帝都の戦いで敗北した帝国軍が、人的にも物質的にも補給に頼ったのもスカイリムだった。

帝国軍はこの補給によってようやく、帝都からアルドメリ軍を排除、「白金協定」によってつかの間の平和をもたらすが、多くの犠牲を払ったスカイリムには到底受け入れがたい内容であったため、スカイリムでは内紛が勃発。ペイル峠は事実上封鎖された。

Rannveig's Fast

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美しきタムリエル・スカイリムに少し戻ってます。

同じゲーム会社が作ったとは思えないくらい、違いますな。

なんか、心が癒されますな。

 

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スカイリムといえば、誤訳珍訳のオンパレードが楽しい。

ランヴェイグのファースト。これも意味が分からん。

Rannveig's Fast。

Rannveigは女性の名前。じゃあfastは?

 

まず、このRannveig's Fastが古代ノルド人の遺跡であること、ワードウォールがあることから、古代ドラゴン教団やドラゴン・ボーンとの深いかかわりを推測できる。つまり、この遺跡は単なるノルド人の遺跡ではなく、ドラゴンとの深いかかわりのあった人物の遺跡である。仮にラスト・ドラゴンボーンが死亡したとき、同じように遺跡が建設され、その象徴的なシャウトがワードウォールに刻まれていたかもしれない。

 

だから、遺跡としての名前を推測しなければ。

ランヴェイグは古代女性のドラゴン・ボーンかドラゴン教団の司祭であった。彼女は「堅牢」「堅固」(英語でもノルウェー語でもFastには堅固、堅牢という意味がある)で名高かった。いわば「不動のランヴェイグ」ともいうべきか。

 

ここで学ぶシャウトは、カイネの安らぎ。動物たちを鎮静化させるシャウトだ。

そして、立地は自然深い山であり、遺跡は山の急峻な地形を利用して築かれている。何となく、動物たちを従え、かつ堂々たる風格を保った、古代女性ノルドのドラゴン・ボーンを想起できないだろうか。

 

なんて思ったら、このヘンテコな名前もしっくりくる。

Wonderglue ワンダーグルー?

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ワンダーグルーってなんだ。

ちょっと調べてみると、ある商品のことだとわかった。

 

fallout.wikia.com

今回はFallout3のWikiから。接着剤とある。

 

ちなみに、4のWikiには

fallout.wikia.com

セラミックやプラスチック用接着剤、とある。

 

3のWikiの下の方に、「スーパーグルーのパクリ」って書いてある。

スーパーグルー?

アメリカアマゾンで検索してみると、

www.amazon.com

これが一番似てる?

 

なんしか、アロン〇ルファ的な商品だと思います。

 

 

 

ダイヤモンドシティ・ラジオ ウラニウム・フィーバー

fallout.wikia.com

エルトン・ブリット作詞作曲、歌。

1955年代まで、核兵器ウランなどは、アメリカの栄光の象徴だった。現在まで、第二次世界大戦の「クレイジー」な日本人が降伏したのは、偉大なるアメリカの新型「原子爆弾」のおかげだ、という政治宣伝のたまものだろう。

核兵器や核技術は人類にとって悲劇をもたらす一方、繁栄をもたらすというのが、アメリカ文化の中での一定の常識だった。

 

fallout.wikia.com

この歌なんか、今の日本で演奏したら批判殺到するような歌詞だけど、こういう大衆向けの曲でも核兵器が普通にうたわれていた。

 

1955年のアメリカではウランラッシュが勃発した。ゴールドラッシュ同様、ごくごく一部の成功者が喧伝されて、誰もかれもがウラン採掘を夢見た。でも、現実は恐ろしい放射能被ばくという身体被害の代償でもあり、また実際にはほとんど儲からない話だった。儲かったのは、政府に協力したごくごく一部だけなのだ。この手の話は。

 

歌の背景はいろんなところで語りつくされているのでこの程度に。

僕が残念に思うのは、ゲームを楽しんでいるユーザーが、エルトン・ブリットというアメリカを代表するカントリーミュージシャンを「ウラン狂い」みたいな扱いをしてしまいかねない、という点だ。

カントリーは現代まで続く、いわばアメリカの国民歌(もっとも、白人にとって)だけれど、例えばその系譜は現代のテイラー・スィフトにまで連なる。テイラーがカントリー?と思う人がいると思うけど、彼女はれっきとしたカントリー出身だ。最近Pop気味だけど。We Are Never Ever Getting Back Togetherなんか、カントリー風味が強いヒット曲だ。

エルトン・ブリットは戦時中にヒットを飛ばし、戦後もマルチなタレントを発揮した。映画などにも出演している。彼の曲を聞いてみると、落ち着いた雰囲気の曲がいくつかある。

恐らく、彼にとってこの曲はポップな、批評めいた曲として発表されたものなのだろう。21世紀になって、まさかゲームで採用され、その中で頭に刻み込まれるくらいにヘビーローテーションされるなんて、夢にも思わなかっただろうけど。

グランチェスター・ミステリー・マンション

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ヌカワールドで少し異色なサイト、グランチェスター・ミステリー・マンション。

以前、少しだけ取り上げた。

 

fallout.wikia.com

ストーリーとしては、ルーシー・グランチェスターという少女を取り巻く怪奇事件、その結果両親の不審死、そしてルーシーの自殺という結末に至るのだが、ヌカワールドが建設されたころにはテーマパーク化しており、当時の人々が楽しんでいた様子がうかがえる。

 

200年以上を経過した今、ルーシーの霊魂が再び復活するのだが。

 

元ネタは、軍需企業として財を成したウィンチェスター・ミステリー・ハウスがあるのだけれど、上記Wikiによればもう1つ。

 

リジー・ボーデン - Wikipedia

 

リジー・ボーデンと両親の死の事件があるだろう、と推理する。

 

 

ルーシーとの邂逅のタイミングは、Wikiによれば数回あるらしいけれど、鈍感な僕にはわからなかった。たぶん、海外では何度もプレイして探すのが一般的なんだろうね。こういうの好きそうだし。

 

ここに立てこもる、元ガンナーのターミナルはもう少し深く読み進めたいところだけれど、あまり深い意味はないのかもしれない。もう少し、深みが欲しかったところではあるけれど。

 

久々のヌカワールドでした。

クエスト:Kid in a Fridge

 

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冷蔵庫の中のこども、というタイトル。

一周目では気づかなかったクエストで、後で気づいたという個人的には印象深いクエスト。

このクエストって、不思議な印象を残しますな。

 

 

アメリカのWikiを見てみると、なるほど、という点がある。

fallout.wikia.com

Behind the scenes(背景)によると、1つに映画「インディー・ジョーンズ」シリーズで、冷蔵庫で核爆発を回避したエピソードのコメディとあり、もう1つに、冷蔵庫と子供の悲しい事実を記載している。

 

冷蔵庫による事故死 - Wikipedia

 

FalloutWikiにもある通り、1950年代アメリカでは、子供が掛け金式冷蔵庫に閉じ込められ、酸欠で死亡する事例が後を絶たなかった。様々な対策が取られたけれど、結局現在のような磁気開閉式の浸透まで改善されなかったとある。

また、1963年アメリカ映画で"Ladybug, Ladybug"というのがあり、ここで核爆発から少女が逃れるため、冷蔵庫に飛び込むシーンがあるらしい(見たことは無いので知りません)。そのオマージュかもしれない、とある。

 

でも、映画へのオマージュならば、「プロウスキ保護シェルター」的な、中に白骨死体があるみたいな感じでいいと思う。僕個人の意見でいえば、前者、1950年代の悲しい事件事故が背景にあるような気がする。特に、ビリーが両親と200年の月日を乗り越えて再会するというのは、この事件を身近に感じた人ならば、涙なくしては見れないイベントなのではないだろうか。

 

ダイヤモンドシティ・ラジオ Dear Hearts and Gentle People

Dear Hearts and Gentle People - Wikipedia

 

fallout.wikia.com

Fallout3のトレーラーを飾った名曲。FalloutシリーズではBing Crosby版が用いられている。数多くの歌い手によって歌い継がれてきた名曲。

 

故郷の、心暖かな人々、紳士な人々を唄ったものである一方、どこか悲しさをたたえる曲。理由は、この曲が作られた経緯にある。

 

この曲名、実はアメリカの作曲家で、貧困なうちに亡くなったスティーブン・フォスターが、逗留先のホテルで突然死した際、置かれていたメモが元になっている。

スティーブン・フォスターは多くの名曲を生み出すものの、晩年は貧困に苦しみ、遺産は小銃と38セント、そしてこのメモ「dear friends and gentle hearts」だけだった。

 

スティーブン・フォスター - Wikipedia

 

この曲で描かれる人々の温かさは、スティーブン・フォスターが無くなる直前に描いた夢だったのか。この曲を作った人は、その夢を共有して描いたものなのか。だから、こんなに切ない曲調で歌われるのだろうか。そんなことを考えさせられる。

 

Fallout3が発表されて、そのトレーラーに用いられたときには、歌詞とゲーム内容の矛盾に笑った人が多いが、実は曲そのものが悲運の作曲家の「夢」からスタートしていることを考えると、曲自体が皮肉と矛盾に満ちたものであり、Falloutの世界観と合致しているように、僕には思えてならない。

 

だから、ゲーム中にこの曲がかかると、すこし悲しくなる。